Last Update2025.10.20
試行錯誤で誕生した「段ボールワンク」
ワンクの段ボールオブジェ「大国段ボール工業」
2021年5月にスタートした「ワンクのSDGsプロジェクト」は、西日本シティ銀行のSDGsへの取組みの一環として「ワンク」の使用許諾料を社会福祉団体等に寄付する事業です。
このプロジェクトに賛同いただいたのが大国段ボール工業株式会社(福岡県行橋市)。
「ワンク」の段ボールオブジェを製造・販売し、売上金の一部を寄付金とすることで、「ワンク」による社会貢献の輪を広げています。
平面デザインの「ワンク」を、段ボールの立体オブジェとして製作するのは苦労もあったそうです。代表取締役会長・寺澤一光さんに話を聞きました。
大国段ボール工業株式会社 代表取締役会長 寺澤一光さん
「ワンク」の段ボールオブジェを製造するようになったきっかけは?
父が創業したわが社は創業60年を超える段ボール梱包材メーカーです。
もともとは梱包用の段ボールだけを製造していたのですが、2010年代に「BtoC」の製品を作れないだろうかと試行錯誤して生まれたのが、「猫の爪とぎ」でした。最初は売れなかったのですが、グッドデザイン賞を受賞して以来、全国から注文が寄せられました。
現在はキッズ向けの段ボール製家具なども製造しており、子どもたちのための段ボール工作のワークショップなども行っています。
そんな折、長くお付き合いしている西日本シティ銀行 行橋支店の支店長(当時)から「段ボールで『ワンク』のオブジェを作ってほしい」と依頼されたのです。
支店長の一声から誕生した、ワンクファミリーの段ボールオブジェ
オブジェ制作にあたって工夫されたことや、苦労された点を教えてください。
「ワンク」自体はもちろんよく知っていましたから、支店長の依頼は光栄に思いました。
でも内心では「ぬいぐるみではなく、段ボールのオブジェで良いのかな?」とも思っていました。その点を聞いてみると「ぬいぐるみだと丸っこくなりすぎて『ワンク』らしさが出ない。段ボールでくっきり造形することが大切」と説明され、なるほどと思いました。
しかし平面デザインの「ワンク」を立体にするのは思いのほか大変で、段ボールの種類の選定から最新のレーザー加工や貼り合わせまで、私自身が関わって試作品を完成させました。西日本シティ銀行のご好評を得て、本当にホッとしました。
現在でも銀行が関係するイベントなどの際にオブジェの製造依頼があり、毎回楽しんで作らせていただいております。
イベントで「ワンクの段ボール貯金箱」づくりのワークショップを行う寺澤さん
「ワンク」のオブジェを制作されてから、御社のビジネスに変化はありましたか?
それはもちろん!
オブジェ制作を通して技術面で学ぶことも多かったですし、銀行さんとタッグを組んでお仕事をするのは初めてのことで、企業価値が上がったような実感もあります。
お客さまから「(ワンクのオブジェは)おたくが作っているの?」と聞かれることも増え、社員たちも「ワンク」関連商品の仕事に意欲的に取り組んでくれています。
今後、「ワンク」グッズの展開、そうしたグッズ製造を通した地域社会との関わりをどのように考えていますか?
実はすでに銀行からのオーダー以外でも、わが社独自で子ども用玩具などを作らせてもらっています。
平面の「ワンク」を立体にしたことに飽き足らず、今や動く「ワンク」のおもちゃなども作っています。
坂をカタカタ歩く段ボールワンク
また、ものづくりの楽しさを伝えるわが社のワークショップなどでも、子どもたちと一緒に工作して楽しんでいます。
私たちが子どもの頃より、ものづくりを体験する機会が減ってきています。ものづくりの楽しさや試行錯誤を次世代に伝えることは、ものづくり企業として重要な社会的使命ではないでしょうか。
「ワンク」を通してそうしたチャンスを与えてくださった西日本シティ銀行さんにはとても感謝しています。
大国段ボール工業株式会社
電話:0930-23-0050